遺伝子関連研究のための顔面形態解析
近年,遺伝子研究の発展から人間の顔面形態と遺伝子間には関連性が指摘されており,既に地域によって遺伝子の塩基配列を特徴づけることが可能である.
ここで,人間の顔面形態に着目すると,解析による地域ごとの形状の定量評価が可能になれば,
先行研究の地域ごとの遺伝子特徴の分類結果と結び付けることで,どの遺伝情報が顔面形態に寄与しているかを解明することが可能になる.
しかし現状の解析方法には,確立されたものが存在しない,3次元形状からの特徴点取得が困難である等の問題がある.
よって本研究では統計的なアプローチを用いて,上記の点を改善した,遺伝子関連研究に利用するための顔面形態の解析方法,及び定量評価法の提案を目指している.(琉球大学医学部との共同研究)
具体的な内容として,沖縄と本土の3 次元顔形状データから特徴点取得を行い,一般化プロクラステス分析に基づいて対応付けとアライメントを行う.
その後,主成分分析により構築した統計形状モデルを用いて顔形状の特徴抽出を行い,沖縄と本土の差異の考察を通して定量評価を実現しようとしている.
図1 研究の概念図
図2:構築した統計形状モデル
関連研究発表:
北林大介,段桂芳,健山智子,木村亮介,陳延偉,” 遺伝子関連研究のための顔面形態解析 ~3次元顔形状データに対する位置合わせ~” 平成22年電気関係学会, 2010 (映像情報メディア学会優秀論文発表賞)