マルチエージェント型自律学習アルゴリズムによる魚群の生成
Visual Marine Museum(VMM)とは情報科学技術を用いて仮想空間上で海を忠実に再現し多くの人々が容易に海洋中の生態系や環境を疑似体験する事を可能とする知的entertainmentである.
我々はそのVMMの実現を目指し, 自然界の魚の振る舞いを仮想空間で再現する事を目標に研究を行っている.
その概念図を図1に示す。
自然界の魚は自身を取り巻く環境が時々刻々と変化する中でその場に応じた判断を行い, 行動する.
本研究ではこの様な魚の行動を仮想空間上で再現するため, 魚に最小限の振る舞いのみを与え,
シミュレーション中に得られた環境情報から自律的にその状態に適している振る舞いを学習し,
決定する自律学習型エージェントの制御機構を構築し, 目標の実現を目指している.
構築した魚群システムの1例を図2に示す。
現在, 仮想空間上の魚に自律的な判断を行わせるために行動を決めるシステムとして生体内の免疫系を参考にした行動調停機構[1]を用い,
振る舞いを組み込むためにはサブサンプションアーキテクチャ[2]の概念に則って実装し, 研究を行っている.
図1
図2 本研究のシミュレーション実行画面
関連研究発表:
1. Yen-Wei Chen, Kanami Kobayashi, Xinyin Huang and Zenshao Nalao, “Genetic Algorithms for Optimization of Boids Model,” Lecture Notes in Artificial Intelligence, Springer, Springer, LNAI 4252, pp. 55-62 (2006)
2. Hisashi KAWABAYASHI, Yen-Wei CHEN, “Interactive system of artificial fish school based on the expanded boid model,” Proc. of IEEE Int. Conf. on Intelligent Information Hiding and Multimedia Signal Processing, (2008)
3. 大西那生,河林弥志,健山智子,榊原一紀,陳延偉: “Visual Marine Museumのための免疫系ネットワークに基づく自律型魚エージェントの構築,” 平成22年電気関係学会関西支部連合大会, G14-33.
4. 大西那生, 藤原千絵, 健山智子, 榊原一紀, 陳延偉: “免疫系ネットワークを用いたマルチエージェント型自律学習アルゴリズムによる魚群の生成,” メディア工学研究会, 2011.6 (発表予定)