医用画像AI
近年人工知能技術が注目されている。画像認識分野における人工知能技術(深層学習)として、ニューラルネットワークに畳み込み演算処理を加えたCNNがよく用いられる。CNN [Krizhevsky, Hintonら, 2012]は2012年に開催された1000クラスの画像認識分類を行うコンテストILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition)で二位と大差をつけて優勝したことにより、近年の人工知能ブームの火付け役となった手法である。2012年に優勝したHintonのグループのCNNは7層のネットワーク構造であったが、現在では100層以上の深いネットワーク構造が提案され、画像認識精度を更に大幅に向上させ、人間を超える認識性能を達成している。応用面においては、Google社が開発したAlphaGoが囲碁の分野で世界チャンピオンに勝利することや、人工知能技術を利用した自動運転などが話題となっている。医療分野においても、人工知能技術が力を発揮いている。2016年8月に東京大学医科研究家がIBMの人工知能「Watson」を使用して、わずか10分で難病(急性骨髄性白血病)を診断し、その命を救った。人工知能を活用した画像診断支援が注目されている。
本研究室は、人工知能(深層学習)を用いた医用画像解析法と画像診断支援について病院と連携しながら、研究を行なっている。その概要を図1に示す。動画1にCTで撮影したスライス画像をボリュームレンダリングという可視化技術で人体の内部解剖構造を可視化している。動画2には、人工知能技術を用いてCT画像から各臓器をセグメンテーションし、構築した三次元解剖構造モデルである。セグメンテーション結果により、臓器や腫瘍などを定量的に評価することができ、AIによる診断補助および手術支援ができる。
図1. AIを用いた医用画像解析と診断支援
動画1. 人体CT画像のボリュームレンダリング可視化例
動画2. AIによる臓器のセグメンテーションと三次元モデリング
本研究室では、Iを用いた肝臓がんの支援診断、COVID-19などの肺疾患の診断支援、アルツハイマの診断支援、糖尿病や腹膜炎などの診断支援を行なっており、その内容と成果を以下に示す。タイトルをクリックすると、詳細な説明がある。
研究事例1. AIで肝臓がんの画像診断を支援
動画3. AIによる肝臓腫瘍の自動検出(緑枠は検出結果;赤枠は医師が手動で検出した結果(正解)
研究事例2. AIでCOVID-19と肺機種の画像診断を支援
>動画4. AIによるCOVID-19領域の自動分割(緑は感染領域)